社長挨拶と会社の歴史

「親子三代 財布作り一筋約70年の歩み」

焼け野原で生きるために初代が始めた財布作り

 

激戦地の出兵先から九死に一生を得て帰還した祖父が、

生きるために祖母と始めた仕事、それが財布作りでした。

食べるモノもお金もない極貧生活でしたが、

いつかこの財布をお金で一杯にして、子供たちを育てる・・・

そんな気持ちで始めた家業は、祖母の器用さと

祖父の社交性が功を奏し、徐々に地元の政治家から註文が入り、

東十条産の高級財布として話題となりました。

 

 

単身フランスで学んだ人情と根性の二代目の父

 

祖父母から財布作りを受け継いだ父は、更なる研鑽の為に

単身欧州へ。本場の財布マエストロから革に関する知識や

金具を調達し帰国。家業は大いに繁栄し、都内の各百貨店から

異例の口座を直接いただき、三浦友和・山口百恵夫妻婚礼の

引き出物制作を受注。その独自の技術を目当てに、多数の

同業社が訪れましたが、気前よく技術を伝授。

「いくら教えても簡単にマネのできる技じゃねぇ!」

それが父の職人としての絶対的自信からくる口癖でした。

 

 

時代変化の対応による海外進出と技術継承の覚悟

 

人に優しく、仕事に情熱的な父の財布職人魂に憧れていた私ですが、

両親が離婚した際には自分の存在が無になった気分で自暴自棄になり、

どこか遠くに逃げ出したい気分でした。

そんな時に声が掛かったのが中国への進出です。

言葉や日本の常識が通じない世界での孤独は苦い思い出ですが、

三代目財布職人としてなり振り構わず20年間奔走し、

現在はその全てを、勤勉で人件費の安いベトナムに移植しました。

私には夢があります。

細部にまで職人の魂が込められた次世代のサイフ職人を育て、

アジアの製造拠点を通して、欧州のマエストロと肩を並べる

高級財布を販売し、財布職人文化を日本に根付かせたい。

その為に、三代続いた知識と技を惜しみなく提供させていただく所存です。

有限会社ダイヒロ 代表取締役 井戸啓晶
創業当時のメンバー
創業当時のメンバー
中学生時代の現社長
中学生時代の現社長
現在の先代社長 井戸辰夫と現社長の井戸啓晶
現在の先代社長 井戸辰夫と現社長の井戸啓晶